どうも、俺です。
先日、今までにない体験が味わえるホテルに泊まってきた。
その名も『HOTEL K5』。
あまりにも唯一無二の視覚体験ばかりで感激したので、その素晴らしさを伝えるために、今回筆をとった。
実際に泊まった感想・評価、施設の紹介をしていくので、宿泊を検討している人の参考になれば、幸いだ。
この記事を通して、ぜひ皆もこの素敵なホテルの追体験をしてほしい。
目次
外観・チェックイン
外観

日本橋兜町にある『K5』は、日本で最初に作られた銀行をリノベーションして建てられたホテル。
なので、銀行の重厚感・伝統とモダンなデザインが融合しているのが特徴。
普段、ラグジュアリーなホテル or 和の雰囲気のあるホテルに泊まることが多い俺からすると、外観からして新鮮だ。

受付には、どデカイ和紙のシェードランプでお出迎え。

『K5』という施設名は、改修前名称の兜町第5平和ビルに由来する模様。

夜になると、ホテルが全く違う顔を覗かせるのも、面白い。
外観の時点で、ライティングにこだわっているのが伺えるが、客室のライティングもこだわりがあるぞ(後述)。
チェックイン
15時チェックイン予定だったが、俺恒例の13:30頃に到着してしまい、アーリーチェックイン申し出ると、カフェで待っている間に調整してくれて、14時前には無料でアーリーチェックインができた。
ストレスのない案内に、多大なる感謝。

『K5』のルームキー。
デザインが何を意味するかは、各々考えてみてくれ。
エレベーター・廊下の紹介
普通なら気にも留めないエレベーターや廊下だが、『K5』ではそこにも驚きがあるので、紹介させてくれ。
マジで大事なので、少し長いが読んでもらえると嬉しい。

エレベーターの素材には胴が使われており、ご覧の通り、どこか年季を感じる。
年季を感じるが、それが決してネガティブな印象ではなく、むしろ「味」に昇華しているのがミソ。

全部で4階建てで、2階以上が客室フロア。

エレベーターを降りて撮った写真。
コンクリートむき出しで、従来のホテルとは全く異なる印象を受ける。
この写真だけ見れば、まるで雑居ビルの一角だ。
床もどこか古臭さを感じるが、不思議とそこに趣を感じる。
建築家の隈研吾が、「経年変化を楽しむ」とアナザースカイの中で語っていたが、まさに『K5』は経年変化を楽しめる建築物。
本来、ホテルに限らず、全てのものは経年と共に変化し、一般的には劣化するが、経年変化をも価値・魅力に昇華させるその趣向の凝らし方に、尊敬の念を禁じ得ない。
普通、築年数が古いホテルやマンションは、敬遠されるのに。

上の写真を見て、お気づきだろうか?
客室に向かう途中に曲がり角があるのだが、なんと角の形状がカーブ。
ホテルでこの構造を見たのは、初めて。

角がカーブというそれだけのことだが、そこに新鮮さがあり、記憶に残る視覚体験。
おそらく、この美しいカーブを実現するにはコストが掛かるだろうが、こういう些細なこだわりが人の心を突き動かすのだ。
まさに、「神は細部に宿る」。
上の画像の通り、打ちっ放しのコンクリートと洗練された美しいカーブの対比も面白い。

廊下にも、こだわりが。
一般的に、ホテルの廊下は暗くて無機質。
一般的なホテルの廊下は、通路としての機能しか果たさないのだが、『K5』は廊下にも趣向が凝らされている。
この日は曇りだったので少し分かりにくいが、窓から光が差し込み、観葉植物がお出迎えしてくれ、窓や床の色合いもレトロで可愛らしさを感じる。
パッと心が明るくなる、そんな廊下。
廊下を歩くだけでも、窓や床に視線が自然と釘付けになるのだ。

上は一つ前の記事で書いた『由縁 新宿』の廊下だが、見比べれば、一目瞭然だろう。
長くはなってしまったが、廊下やエレベーターにすら驚きがあるのが、『K5』なのだ。
おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる! あこがれるゥ!
客室の紹介

続いて、客室の紹介。
今回俺が宿泊したのは、「K5 Room」という最もスタンダードな客室。
『K5』には以下のタイプの客室が存在するが、このホテルの魅力を味わうには、必ず『K5 Room』以上を選ぶことを推奨。
- Studio
- Studio Loft Floor
- K5 Room ←今回紹介する部屋
- K5 Room Loft
- Junior Suite Loft Floor
- K5 Loft
上から安い順に並べているが、「Loft」が付く部屋は最上階に位置し、天井が4.5mある開放的な部屋だ。
各部屋の料金や広さの比較は割愛するので、詳細は気になる方は一休のサイトから確認してみてくれ。
公式 一休
今回、上から三番目にある「K5 Room」が俺が宿泊した部屋。
Studioだと部屋が狭いので、『K5』の魅力を存分に味わうには、ちと物足りない。
客室の感想をまとめると、以下。
- ミニバーが充実
- 部屋が広い(33㎡)
- 部屋のデザインが唯一無二
- ミネラルウォーターが無料
- レコードプレーヤーがエモい
- ライティングが痺れる世界観
- インテリアが個性的でハイセンス
- テレビがない
- バスタブがない
- エアコンの調整ができない
- 所々、デザイン性>機能性
- コンセントの位置が使いにくい
悪かった点は、強いて挙げただけで、マイナスだとはあまり感じることはなかった。
良かった点については、後述するので、ぜひ読んでみてほしい。
それでは、詳しく紹介していこう。
ベッドルーム

部屋に入った左手に、オープンクローゼットがある。

クローゼット下の引き出しを開くと、パジャマなど。

パジャマは甚平スタイル。
驚いたのが、1階にあるホテルのバーの店員の制服が、この甚平に似た作務衣を着ていたこと。

この引き出しにセキュリティボックスもある。

客室の全体像はこんな感じ。
驚くべきは、ベッドが客室のど真ん中にある点。
そうきたか。
そして、Loftタイプの部屋とまではいかないが、天井が高いので、開放感があるのも特徴的。

フロント同様に、ホテルのシンボルとなる和紙を使った大きめのシェードランプがあり、ベッドを囲うように藍色のグラデーションのカーテンが、柔らかさと特別感を醸し出している。
気分はまるで、お姫様。
天蓋ベッドで寝るのは、初めての経験だ。
この日は女子と宿泊したのだが、女子も「可愛い」と喜んでいた。

床はコンクリートがそのまんま剥き出しで、バス・トイレに面する壁は木の素材を使用。
無機質な素材と有機質な素材が融合する空間だが、スタイリッシュさと温もりを同時に感じさせてくれる。
シンプルに、かっけえ。
デザインに限らず、人は両極端のギャップがあるものに惹かれる性質がある。

枕は4つ。
枕もベッドも心地よく、何のストレスもなかった。

ベッドサイドの片方には、シェードランプの電源スイッチ。
各インテリア、入り口、洗面台などの電源スイッチは、個別に消す必要があるので、それが面倒だったのが本音(=機能性×)。

もう片側のベッドサイドには、コンセントとUSBポート。

ベッドの両側には、可愛らしい小さいサイドテーブルあり。

触れ忘れていたが、左に見えるのが客室のドア。
このドアは、先ほど見せたエレベーターと同じで、素材が銅。

客室奥には、赤が目立つ個性的なソファーや大きめの観葉植物。
赤、グレー、緑の色彩の組み合わせがハイセンスで、イケてる。
無機質なコンクリートや日本橋のオフィス街とは対照的な観葉植物の存在が、デザインを引き立てている。
かっけえ(二度目)。

感性のカケラもない発言をするが、俺にはこのソファーがケツに見えてしまう。
微妙に使い勝手が悪かったのが、このソファーの近くにコンセントがなかった点。
スマホの充電をしながらソファーでくつろぎたかったのだが、それは叶わず。

ちなみに、夜のソファーの雰囲気はこんな感じ。
赤が引き立つように、観葉植物が絶妙な位置に配置されているのが分かる。

さらに奥には、見たことがないデザインの椅子とサイドテーブル。
この椅子の座り心地は、何とも微妙だったw
『ハイアットセントリック銀座』の記事でも書いたが、デザイン性を重視しすぎると、機能性を犠牲にせざるを得ないと度々感じる。
『K5』では客室のエアコンの調整は不可。ホテル側が一括管理しているので、部屋にエアコンのリモコン等はない。というか、この空間にリモコンがあったら、興ざめ。

サイドテーブルには、『高野聖・眉かくしの霊』の文庫本が。
どのような意図でこの作品が置いてあるのか、俺には理解できなかったので、分かった人がいたら、教えて欲しい。
チョイスが渋すぎるんだが。
ちなみに、客室によって置かれている本は異なる模様。

青い本は、設計やデザイン関連の本っぽいが、何を意味しているのか、全く分からんかった。
ページをめくれど、同じような絵ばかり。

3階の客室から見た風景は、こんな感じ。

個性的なソファーの奥にも、個性的な生え方をした観葉植物。

「キミ、観葉植物界の江頭2:50だね」
と、心の中で話しかける。

さっきの青い本にも載っていたものが、壁に飾られている。
アートに疎いので、これが何かマジで分からんのだが。

こうやってみると、コンクリートの剥き出し感が凄まじい。
勘のいい人はお気づきだろうが、この客室にいる場合は、靴 or スリッパを常時履く必要がある。

ちなみに、スリッパはこんな感じ。

続いて、デスク周り。
デスク周りも例外なく、イケてる。
そして、デスクの隣には、まさかのレコードプレーヤーが。

デスクはシンプルで広々としており、スタンドライトやコンセントがあるので、文句なしに作業しやすい環境。

デスクにはコンセントとUSBポート。

メモ帳と鉛筆もしっかりある。
一般的なホテルではボールペンが主流だが、『K5』は鉛筆。
鉛筆を握って懐かしさを覚えたが、ここでも「普通」とは違う体験が。

棚の上には、様々な本。
俺の部屋には、三遊亭円朝の本が。
これをチョイスした意図を問いただしたい。

客室にはテレビがない代わりに、アナログのレコードプレーヤーが置いてある。
繰り返すが、ホテルにはテレビがほぼ100%設置してあるのだが、『K5』にはそのテレビがない。

俺はレコードプレーヤーで音楽を聴いた経験はあまりないが、せっかくなので、マニュアルを読みながら何枚かのレコードを実際に聴いてみた。
これが、ハマる。
目新しさがあるのは勿論だが、音楽を聴きながらリラックスできる上に、色んなレコードを聴き比べる楽しさがある。
作業用のBGMになって集中できるし、控えめに言っても、レコードプレーヤーに惹かれてしまった。
「テレビを置かない」という尖ったコンセプトだからこそ、味わえる体験だ。
むしろ、この空間に、テレビのような受動的に楽しむ娯楽は要らない。
『K5』は五感や感性に訴えかけてくるホテルなので、このホテルを楽しめるかは、自分次第だ。

ちなみに、レコードは10枚ほどあった。
風呂・トイレ・洗面台

客室のもう一つのこだわりが、ライティング(照明)。
丸い鏡の真ん中にライトがあり、この色も調整することが可能。
最初から上の画像のように赤く光っていたが、これもまた斬新な視覚体験。
何もないのに、何かあるように思わせられたのだが、ライティング一つで人に与える印象を改めて考えさせられた。
俺はサウナが好きだが、サウナ室でのライティングも重要視している。

手前がトイレ、奥がシャワー室。

トイレは普通だが、苦言を呈するなら、目の前の棚が近いので、窮屈に感じた。
この窮屈さは、『ウェルビー福岡』のトイレに次ぐ窮屈さだ(細かすぎて伝わらない例え)。

トイレの前にある棚はこんな感じで、棚の中にはアメニティとドライヤーが格納されている。

ドライヤーはパナソニック製。

備え付けのアメニティは、以下。
フロントに頼めば、ヘアアイロンなども貸してくれる模様。
- 綿棒
- 歯ブラシ
- カミソリ
- コットン
- エアブラシ

洗面台の形も独特。
この客室に、「見慣れたもの」はほとんどない。

と言った矢先に、バスタオルは見慣れたモノだったw

『K5』では、Junior Suite以上の部屋でないと、バスタブがない。
シャワーはハンドタイプとヘッドタイプの2種類。

バスアメニティやハンドソープは、オーガニック製なので肌に優しい。
優しい香りがした。

奥がシャワー室だが、洗面台・トイレと境目がないので、水が侵食してこないか、少し不安に。
ちなみに、どことなく海外のホテル・アパート感を覚える。
以上が、バス・トイレ・洗面台。
ミニバー

ミニバーが見当たらないと思ったら、玄関横の棚に隠れていた。

棚の上にはグラスなどがあり、日本っぽさと北欧っぽさが融合した感じ。
- グラス
- コップ
- 湯呑み
- 栓抜き
- 電子ケトル
- コーヒー・紅茶
- ウイスキーミニボトル

Aoのオリジナルブレント茶とオリジナルローストコーヒー。
オリジナルローストコーヒーは、1階のカフェで購入可能。
1階にあるバーの名前も『Ao』。

カバランのウイスキーも。

引き出しを開けると、ポークジャーキー、ポテチ、ナッツ。

初めてみる「燻製ポテチ」。
食べておけばよかった。

冷蔵庫にはチョコレートや富士のミネラルウォーター。

ビール、ナチュラルワイン、みかんジュース、りんごジュース、トニックウォーターなど。

ミニバーのメニューと値段はこんな感じ。
というか、富士のミネラルウォーター(炭酸水は除く)が、無料だったのを知らなかった…
館内施設の紹介

ホテルのエントランス入って左がカフェとレストラン、右がバー。

レストラン、カフェ、バー全て1階。
『K5』の館内施設は、以下。
- Ao(BAR)
- CAVEMAN(レストラン)
- SWITCH COFFEE(カフェ)
青淵(Ao)

「渋沢栄一の書斎」をコンセプトに作られたのが、バー『青淵』。
『青淵』とは、渋沢栄一のペンネーム。

真っ赤なカーペットとソファーが印象的。

写真は一部だが、膨大な数の本が置いてあり、飲みながら本を読むことも可能。
渋沢栄一の書斎なので、渋沢栄一が好みそうな書籍が並べられている。

渋沢栄一に関する書籍も多い。

面白いのが、ドリンクのメニュー表がまるで本。
ご覧の通り、ドリンクの名前はなく、渋沢栄一にゆかりのある単語がメニュー名になっている。

例えば、このメニュー名は「中の家」。
小さい文字でカクテルの材料は書いてあるが、どんな味かが一切書いていない、斬新さ。

その代わり、テイスティングが各メニューに書かれているので、これで味の方向性を判断するしかない。
一緒にいた女子は、何を頼むかひたすら悩んでいた。

とりあえず、俺はコレを頼んだが、案の定コレが何だったか1mmも覚えていない。

デートで使っている人もチラホラいた。
ちなみに、各席には大理石のローテーブルが配置。
SWITCH COFFEE(カフェ)

バーの反対側にあるのが、カフェの『SWITCH COFFEE』。
ご覧の通り、観葉植物に囲まれた空間。
宿泊者以外も使えるので、パソコン作業する人や談笑する人が散見された。
インスタ映えしそうな空間だが、ここは日本橋兜町なので、インスタグラマーのいない平穏が担保された場所だ

メニューと料金は上の通り。

オリジナルコーヒーやオリジナルティーも購入可能。
CAVEMAN(レストラン)
カフェの奥には、レストランの『CAVEMAN』がある。
一時期、グルメな人の間で話題になった目黒の『Kabi』の姉妹店。
残念ながら、今回はレストラン利用しなかったので、詳細は割愛。

ちなみに、朝食はこのレストランで食べるのだが、メニューと料金は上記の通り。
クチコミを分析する限り、CAVEMANの接客が不評との意見がチラホラある…
まとめ
ホテルK5(客室は「K5 Room」)の感想をまとめると、以下。
- バーが独特で面白い
- 建築がもっと好きになった
- 唯一無二の空間とデザイン
- スタッフのサービスが心地よい
- 随所に真新しい視覚体験がある
- レコードを聴きながら寛げるのが最高
- 立地が微妙
- 駅から微妙に遠い
- 飲食以外の館内施設が皆無
- 細かいところで機能性に欠ける
泊まってみた感想は、
ホテルK5に会えて、本当に良かった。嬉しくて、嬉しくて、言葉にできない(by 小田和正)。
って感じ。
もちろん宿泊記なので言葉にはするのだが、想像以上に想像力を駆り立てられ、ホテルや建築物の奥深さに触れる事ができた貴重な体験になった。
大袈裟だが、新しい世界の扉を開いた気分で、また一つ人生の楽しみを見出してしまった。
どちらかというと、クリエイティブな空間なので、クリエイター・アーティスト・ミュージシャンなどが訪れると、インスピレーションが湧いてきそうな空間だ。
逆に、インスタ映えや見栄えばかりを気にする人が宿泊しても、写真を撮り終わった時点で、退屈してしまうかもしれない。
そういう人は、素直に『EDITION TOKYO』へどうぞ。
客室のデザイン、セッティング、ライティングなど全てが素晴らしかった。
自分の感性が磨かれた後に再訪すると、また受け取り方や感じ方が変わりそうなので、1,2年後に大事な人とまた来たい。
これもまた、一つの「経年変化」の楽しみ方なのかもしれない。
HOTEL K5に興味を持った人は、以下で料金などを確認してみてほしい。
繰り返すが、このホテルに泊まるなら、『K5 Room』以上を推奨。
お得に泊まるなら、オススメの旅行サイトは「一休」。
公式 一休
楽天やYahoo!ユーザーは、それらの方が安い可能性もあるので、料金を比較してみてくれ。
公式 Yahoo!トラベル
公式 楽天トラベル
ホテルK5とは方向性が異なるが、『ハイアットセントリック銀座』もアートなホテル。
大阪だが、マリオット系列の『W OSAKA』も遊び心が利いたイケてるホテルだ。