どうも、俺です。
今年の夏に、念願叶って福岡の小倉にある『天寿し』に行ってきた。
今となっては、予約困難店には全然興味がそそられないのだが、天寿しだけは別。
この記事を執筆している時点で、どうやら食べログの寿司部門で全国1位(所詮、食べログだけど)。
そんな天寿しは、果たして美味いのか?
今回は天寿しに行った感想や天寿しの詳細などについて、徹底解説しよう。
目次
天寿しとは

まず簡単に天寿しの紹介から。
兄弟で鮨屋を営む
天寿しの天野兄弟は、兄弟でそれぞれ別の鮨屋を営んでいる。
今回、この記事で紹介するのは、弟の『天寿し 京町店』の方(=有名な方)。
兄 | 弟 |
---|---|
天寿し 魚町店 | 天寿し 京町店 |
兄弟揃って、同じ名前で飲食店を経営しているのは、多分ここくらい。
ミシュラン一つ星

天寿しはミシュランガイド福岡2019で一つ星を獲得。
「天寿しで一つ星なの?」と疑問に思うかもしれないが、ミシュランだから。
味だけではなく、他の要素も加味した上での評価。
俺的には5つ星をあげたい気分だけど。
ちなみに、天寿しはミシュランに限らず、食べログアワードのゴールドを5年連続で受賞している。
なお、上の画像の真ん中の万年筆型のゴールドは、うどんが主食さんから貰った模様w
プロフェッショナル仕事の流儀にも出演
天寿しの天野功氏は、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』にも出演。
過去に料理人で上記の番組に出た人は、以下の通り。
- 天野功(天寿し)
- 米田肇(HAJIME)
- 山本征治(龍吟)
- 西健一郎(京味)
- 石原仁司(未在)
- 川田智也(茶禅華)
- 池川義輝(鳥しき)
- 徳岡邦夫(京都吉兆)
- 斎藤智史(プリズマ)
- 岸田周三(カンテサンス )
- 樋口宏江(志摩観光ホテル) など
メンツが半端ない・・・
自社ビルを所有するお金持ち?

天寿しに訪問してまず驚いたのが、店が入っているビルの名前が、「AMANO BLD」。
間違いなく、天野さんが保有するビル。
これを見た時、心の中で「儲かりまくってんな」と呟かずにはいられなかった。
月の売り上げは?
せっかくなので、月の売り上げを推計してみよう。
- 6席
- 週5営業
- 1日4回転
- 料金38,500円
料理はおまかせコース一本で、料金は税サ込みで38,500円。
月の営業日は22日と仮定して、上記に基づき月の売り上げを計算すると、
6席 × 4回転 × 月22営業 × 38,500円=約2,000万円
凄すぎワロタ。
生々しいが、自社ビルを建てられるのも何ら不思議ではない。
ちなみに、週4営業の噂もあるが、その場合の月の売上は約1,660万円。
天寿しのメニューと食レポ

実際に俺が天寿しに行った時のメニューやコースの内容を紹介していこう。
この日のコースの内容は、以下。
ちなみに、天寿しのメニューは、おまかせコース一本。
- 中トロ
- 大トロ
- イカ
- 車海老
- 吸い物
- しめ鯖
- ハマグリ
- あら
- 太刀魚
- 漬け
- 鱚
- 海老の頭
- サザエ
- 味噌汁
- 鯛
- カツオ
- 雲丹
- 穴子
- マグロの巻物
- 玉
- メロン
それでは、飯テロ失礼。

まず気になったのが、カウンターの下に、ちょろちょろ流れている水。
最初何か分らなかったが、フィンガーボウル的な役割で、指をここで洗い、指を指拭きで拭くのに用いる。
これは初めて見た・・・

ガリは甘め。

箸置きは、「天」の形。

キュウリ。
冗談交じりに、これが一番美味いと言う人もいるくらい、美味いと評判。

中トロ。
名刺代わりの鮪が、初っ端から死ぬほど美味すぎた。
飲み込むのが惜しいほどの一品。

大トロ。
天寿しのシャリは江戸前寿司とは異なり、砂糖が入っているので、若干甘さを感じるのが特徴。

名物のイカは、もはや鮨超えて芸術。
上に乗っているのはとび子(トビウオの魚卵)で、プチっとした食感がイカの食感と対称的で、すだちの爽やかな香りと酸味がイカの甘みの刺激になって美味すぎ。

車海老は、火入れが半生で珍しい。
生のプリッとした食感と生の舌触りを残しつつ、絶妙な火入れだからこその甘みと旨味。
他の鮨屋で出てくる車海老は、中までしっかり火を通しているのが一般的だが、ここは表面だけ火入れ。

吸い物。
このタイミングでお椀が出るのも、珍しい。

あさつきや昆布を添えた、シメ鯖。
炙りを入れて一捻り加え、シャリの甘みと酢の酸味が合間って、美味すぎ。
やばい、書きながら生唾が止まらないw

ハマグリ。
ノリで巻いたハマグリって珍しい気がする。
プリッとした食感と磯の香りがして、美味。

あら。
コリコリした食感。
脂がまろやか。

炙った太刀魚。
こんな身に厚みのある太刀魚は見たことねえ。
味が淡白な太刀魚は、つまみで出ることが多いが、天寿しでは梅肉ソースを添えて、味にアクセントを加えている。
「美味い」と書かなくても、もう分かるよね?

マグロの漬け。
ご覧のようにキラキラして美しい一品。
本来は醤油で漬けるところを、出汁で漬けるのが天寿し流。
既視感のない甘めの味わいと食感。
とろっとしていて、ねっとりで、後から出汁の旨味が押し寄せてくる。
説明不要に美味すぎ。

鱚(きす)。
すだちのさっぱりさを感じる一品。

このタイミングで、先ほどの車海老の頭。

少し炙ったサザエにオクラを添えて。
コリっとした食感、炭の香ばしい香り、スダチのさっぱりした清涼感、オクラのねっとり感、が渾然一体になった一品で、美味すぎ。

味噌汁のお椀。
この変則的なタイミングでの提供の意図は何なんだろうか。

鯛と肝。
鯛に肝が添えられているのは初体験。
身がしっかりしていて、肝の甘みとスダチの酸味を感じて、鯛としては既視感のない味わい。
常に俺に「初体験」を提供してくれる天寿しさん、半端ないっす。

カツオ。
戻り鰹の模様。
身を見るだけで、素材の良さが伝わるだろう。
俺はこのカツオを見て、小学生の時の給食で出てきた「ワインゼリー」をなぜか連想したw

雲丹。
これは、よくある味わい。

アナゴ。
手に持った瞬間に崩れそうなほどのトロトロ感で、品のある甘さでクソ美味い。
穴子にゴマが添えられているのは、初めてかも。

海ぶどうとトロの巻物。
トロの巻物はよく出てくるが、天寿しではアクセントに海ぶどうを添えて。
トロのとろとろ感(ギャグじゃないぞw)と海ぶどうのプチっとした食感が対照的かつ独特で、食感で優勝。

「中身、写真を撮ってないよね?」と天野大将が気を遣ってくれて、わざわざもう一度巻いて、持ってきてくれた。
天野大将、写真はいいから、それ丸ごとくれよ。

玉。
これは普通。

デザートはメロン。
以上がコースで出されたメニュー全てで、1時間半ほどで1回転するテンポの良さ。
この日は握り16品、その他4品、デザート1品の計21品構成のコースだった。
天寿しの価格・会計金額

気になる天寿しの会計の金額だが、ズバリ、
1人38,500円。
コース38,500円とOMAKASEのページにも書いてあるので、超明朗会計。
天寿しでは無料のお茶以外のドリンクの提供はないので、おそらく全員がこの値段になるはず。
握りのみのコースで38,500円は、過去最も高かったが、会計の金額が気にならないほど、幸福感に包まれた。
同じ北九州にある『照寿司』に行った時は、会計が4.1万円でその価値を全く見出せなかったのとは、大違い。
照寿司の感想については、以下の記事に率直に書いた。
参考 美味い?まずい?福岡『照寿司』に行った率直な感想を書いてみた
天寿しの予約方法・予約を取る裏技
天寿しの予約方法のポイントをまとめると、
- 新規予約は不可
- 予約が取れるのは常連のみ
- 『近松』『まつ山』からの紹介電話なら予約可能
つまり、新規の人が電話で予約を取ろうとしても、無理。
実際、俺も常連の枠で訪問したが、予約は取れず・・・
なので、既に予約を持っている人に連れてきてもらうしかなさそう。
OMAKASEにも天寿しのページはあるが、キャンセルが出ているのを見たことがないので、OMAKASEでキャンセルを拾うのも、非現実的。
天寿しの予約を取る裏技
天寿しの常連から聞いた話では、
『近松』や『まつ山』の大将からの紹介予約でなら、天寿しの予約が取れる模様。
ただし、その場合は、それぞれの店の大将本人からの電話での紹介であることが必須。
なので、『近松』や『まつ山』の常連になれば、天寿しの予約がワンチャン取れるかも。
とは言え、『近松』に関しては超予約困難で、その予約難易度は天寿し以上とも言われているので、こちらも非現実的。
天寿しの感想

天寿しの感想をまとめると、
- 人生で一番美味い鮨
- 店主の人柄に惹かれる
- 心で握る姿に尊敬の念を抱く
まず率直に、
人生で一番美味い鮨だった。
『照寿司』の記事でも書いた通り、東京の美味い鮨はかなり食べ尽くしてきた。
そんな俺は、もはや飯で感動することは減ってしまったのだが、天寿しの美味さには感動。
それでいて、所々に既視感の無さが混在し、驚きに満ちた握りの数々。
「こんなの初めて///」が多かったのも、満足度を押し上げた要因だろう。
そして、味もさることながら、大将の人柄も魅力の一つ。
どんな客とも同じ目線で会話を弾ませる居心地の良さ、人としての温かさ、他の料理人の悪口・陰口を言わず、自慢やドヤることもしない。
天野大将の優れた人間性が、全身からほとばしっていた。
さらに、天野大将は心で握るタイプの人間なので、彼の鮨に熱量が乗っている。
感覚的な話ではあるが、実際、俺と友達は、食後にどっと疲労感を覚えるほど。
不思議な食後感、あれは一体何だったのだろうか。
まとめ
以上が、天寿しに行った感想や詳細。
小倉にあるので行きにくい場所にはあるが、絶対にまた行きたいし、自信を持って勧められる店だ。
それほどまでに、最高の食体験ができる場所。
北九州には世界が誇る『照寿司』もあるので、興味がある人は以下の記事もどうぞ。